「健康器具」は、いずれ「高いハンガー」になる
過去、我が家には巨大なエアロバイクがあった。
購入当初は「毎日30分漕ぐぞ」と息巻いていたが、2週間後には洗濯物を干すための高級なスタンドと化した。腹筋ワンダー的なマシンも、今ではベッドの下で埃を被っている。
俺たちは自分の意志力を過信してはいけない。
「わざわざ準備して」「気合を入れて」やる運動は、絶対に続かないのだ。特に貴重な休日、Netflixを見ながらポテチを食いたい欲求に勝てるわけがない。
だから俺は方針を変えた。
「寝転がったまま」「ただ乗るだけ」で完結する、意志力ゼロでも使えるグッズしか導入しないことにした。
1. フォームローラー:背中を乗せて「あーっ」と言うだけ
筒状のボコボコしたやつだ。意識高い系のヨガ女子が使っているイメージがあるが、これは40代のおっさんにこそ必要だ。
使い方は簡単。床に置いて、その上に背中を乗せて仰向けに寝る。
そして自分の体重でゴロゴロと上下に動く。これだけだ。
最初は激痛が走る。「俺の背中、こんなに凝り固まっていたのか」と絶望する。
だが、3分ほどゴロゴロしていると、背中の血流がドバドバ流れる感覚になり、猫背が強制的にリセットされる。平日、パソコン作業で丸まった背筋を伸ばすにはこれが最強だ。
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2. テニスボール(またはゴルフボール):足裏の地雷撤去
これは専用グッズですらない。100均で買える。
ソファーに座ってテレビを見ながら、足の裏でボールを転がすだけだ。
足の裏は「第二の心臓」と言われるが、俺たち世代の足裏はガチガチだ。
特に踵(かかと)の近くや土踏まずを強く踏むと、脂汗が出るほど痛いポイントがある。そこを重点的に攻める。
これをやっておくと、翌週の通勤ウォーキングの足取りが驚くほど軽くなる。
「痛気持ちいい」という感覚は、脳内麻薬が出てストレス解消にもなるのでおすすめだ。
3. バランスディスク:座るだけで体幹をごまかす
空気の入ったゴムの座布団のようなものだ。
これを休日のソファーや、自宅のPCチェアの上に置いて、その上に座る。
不安定なので、ただ座っているだけで勝手にバランスを取ろうとして、お腹周りの筋肉がピクピク動く。
「運動している」という感覚は皆無だ。だが、内臓脂肪を支えるインナーマッスルには地味に効いている。
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「ながら運動」こそが最強のソリューション
休日にわざわざジャージに着替えてランニング? 無理だ。
俺たちに必要なのは、パジャマのまま、テレビのリモコンを操作しながらできる「怠惰な健康法」だ。
妻が揚げ物を作っている匂いがしてきたら、とりあえずフォームローラーの上に乗る。
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「パパ、何やってるの?」と子供に聞かれたらこう答えよう。
「これはゴロゴロしているんじゃない。重力と戦っているんだ」と。
粗大ゴミにならないコツは、「リビングの真ん中に転がしておくこと」だ。
邪魔だからこそ、またいで通るついでに乗っかるようになる。片付けたら終わりだぞ。

