体重は20代の頃と変わらない。でも腹だけが…
健康診断の結果を見て首をかしげる人がいる。
「BMIは22(標準)。体重も学生時代から+3kg程度。なのに、なぜ脂質異常症なんだ?」
風呂上がりに鏡を見れば答えは明白だ。
腕や足はヒョロヒョロなのに、お腹周りだけがポッコリと突き出ている。
いわゆる「リンゴ型肥満」あるいは「クモ型体型」。これこそが、40代日本人男性に最も多い「隠れ肥満」の正体だ。
皮下脂肪(つまめる肉)が少ないから油断しているが、腹の中では内臓の周りにびっしりと脂肪がこびりついている。
これが「内臓脂肪レベル」が高い状態だ。
「内臓脂肪レベル」の数字、どう見る?
家庭用の体組成計に乗ると、「内臓脂肪レベル:12」のような数字が出る。
メーカーによって多少基準は違うが、大まかな目安は以下の通りだ。
- レベル9以下(標準):
セーフ。今の生活を維持しろ。 - レベル10〜14(やや高い):
ここが分かれ目だ。メタボ予備軍の入り口。「まだ大丈夫」と思っていると、来年は確実にレベルが上がる。 - レベル15以上(高い):
アウトだ。積極的な減量が必要。今のままでは血管事故のリスクが高い。
俺の初回の測定値は「14.5」だった。
標準体重なのに、中身はフォアグラ状態だったわけだ。
なぜ「隠れ肥満」のほうが危険なのか
太っている自覚があるデブ(皮下脂肪型)よりも、一見痩せている隠れ肥満の方がタチが悪い。
なぜなら、「危機感がない」からだ。
「俺は太ってないし」と高を括って、ラーメンやビールを摂取し続ける。
しかし、内臓脂肪からは「アディポサイトカイン」という悪玉ホルモンが分泌され、インスリンの効きを悪くしたり、血圧を上げたりして、静かに血管を痛めつける。
ある日突然、心筋梗塞や脳梗塞で倒れるのは、このタイプが多いという。
>>「要再検査」の封筒が届いた日の絶望と、再検査に行くまでの恐怖を吐き出す
内臓脂肪は「普通預金」。すぐ引き出せる
ここまで脅したが、朗報もある。
何度か触れているが、内臓脂肪は「つきやすく、落ちやすい」という性質を持っている。
皮下脂肪が一度預けたら引き出せない「定期預金」なら、内臓脂肪は出し入れ自由な「普通預金」だ。
つまり、生活習慣を少し変えるだけで、数字は比較的すぐに反応する。
俺の場合、以下の2つを徹底したら、1ヶ月でレベルが「14.5→13.0」まで落ちた。
- 夕食の白米を半分豆腐に変えた
糖質の供給を少し絞るだけで、体は内臓脂肪をエネルギーとして使い始める。 - ドローイン(腹凹ませ)を隙間時間にやった
腹横筋を締めて、物理的に腹を凹ませる癖をつけた。
>>「糖質制限がつらい」と嘆く前に。白米を半分豆腐に変えたら意外といけた話
>>内臓脂肪はお腹をつまめない?パンパンに張った腹を凹ませる「ドローイン」呼吸法
毎朝、体重計に乗るだけでいい
隠れ肥満を脱却する最初の一歩は、現実を直視することだ。
高機能な体組成計じゃなくていい。スマホ連動なんてしなくていい。
ただ毎朝、トイレの後に乗る。
「昨日のラーメンが、即座にレベルに反映されている」
この因果関係を脳に叩き込むだけで、今夜のビールの手が少しだけ止まる。
その小さなブレーキの積み重ねだけが、俺たちをE判定から救い出してくれるのだ。
さて、ここまで「体の変化」について話してきたが、40代の不調は数値だけじゃない。
「寝ても疲れが取れない」「休日に動けない」。
次回は、そんな肉体の衰えを「老い」と認めて、諦め半分で対策するマインドセットについて書こう。

